凝縮したおいしさ。

『スープ・ド・ポワソン』。
訳すと魚のスープです。
いたってシンプルな名前の料理です。
見た目もシンプルで、スプーンを入れても何も感触がなくスープの中にも具材は全くありません。
でもでも、1度味わっていただくとこのスープの奥深いおいしさに、感激していただけるはずです。
具材が何も入ってないスープですが、仕込み始めはイトヨリ鯛やホウボウに鯛のあら、穴子をぶつ切りにして鍋で煮込んでいます。
ニンニクを炒めて香りをつけた鍋にこれらの具材を加えていきます。
ここでは少しの内臓を一緒に入れるのが美味しさのポイントです。
内臓を加えることでコクが加わり味に深みが増します。
そしてタマネギ、ニンジン、セロリといった香味野菜にサフラン、フヌイユ、ポワロー、トマトにアニス、タイム、ローリエ、フェンネルシード、鷹の爪とスパイスやハーブをたくさん入れて
鍋底に旨みをこびりつかせるように火にかけて濃度をつけていきます。
このほかにも材料があるようですがこれ以上は教えてくれませんでした。
火にかけた具材はどこに?
具材がとろとろに無くなるまで火にかける訳ではりません。
しっかり炒めて味が良い状態になったらパッセ(裏漉し)します。
ここで具材とおさらばです。
それぞれのエッセンスが合わさり凝縮した風味豊かなスープの完成です。
チーズをたっぷりとつけて焼いた香ばしいバケットとルイユとご一緒にどうぞ。
Text by Masayuki Sato